Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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防風通聖散

肥満症にも保険適応になっている防風通聖散ですが、個人的には全く効く印象がありません。そこで、どの程度、効果のあるものなのかを軽く調べてみました。

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西洋医学的に、成分から考察

 

【組成】防風・川弓・当帰・白芍・大黄・薄荷・麻黄・連翹・芒硝 1 石膏・黄岑・桔梗 2 滑石 6 甘草 4 荊芥・白朮・山梔子 0.2

 

麻黄、甘草などのエフェドリン作用、アルドステロン様作用、カフェイン様作用で、気付け薬のような効果があると思われます。

 

痩せる効果があるとすれば、漢方版のエフェドラのようなものだと思われます。

 

副作用を無視して大量に飲めば、効果があるかもしれません。

 

ちなみに、有効な文献は見つかりませんでした。

 

東洋医学的に考察

 

実証に対する薬であり、肥満に効くとは書かれていません。

 

【功用】疏風退熱・瀉火通便

【主治】風熱が壅盛で表裏・三焦ともに実証のもの。

身熱のため煩躁し、頭痛・昏眩・口苦して渇し、
咽喉は不利で、胸膈は痞悶し、腹部は脹痛し、
譫語に驚恐あり、手足は引きつれ、大便は秘結し、
小便は短赤である。

小児の疳の積熱・瘡・紅斑・蕁麻疹・風腫火眼などで
舌苔が黄膩で脈が洪数か弦滑のもの。

 

体型もある程度、「証」を反映することがあるかもしれませんが、サルコペニア肥満のような体力のないタイプの肥満に使うのは危険でしょう。

 

いずれにしても、「証」を観ずに漢方を出すのは、根本的に間違っていると思われます。

 

間質性肺炎や肝障害などの副作用があり、昏睡にまで至った例もあることから、軽々しく使ってよい薬でないことは確かです。

 

保険で認められているものが、効果があるとは限りません。

全く効果がないのに保険適応だったり、その逆だったりすることは、いくらでもあり、これもその一つと言ってよいでしょう。

この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。
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