Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。

パレオダイエット?

 パレオダイエット(英語:Paleolithic diet)は原始人に近い生活をすれば健康になれる!というコンセプトの食事法です。

農耕や牧畜に頼らず、日常的に簡単に入手できる魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とする。旧石器時代には、自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則的には避ける方法です。

人間は農耕、牧畜に適応できていないので病気になるのだ!という主張ですが、以下の点で疑問があります。
① 人間の体質、遺伝子は数か月~数年で変化することが考慮されておらず、人類の適応能力を過小評価しているのでは?
② 肉や卵を食べ過ぎる傾向がある。旧石器時代に毎食、毎日、獲物が捕れたとは到底考えられず、せいぜい週1回以下では?
③ 芋類はむしろ入手できたのでは? 液体の油はむしろ入手不可能では?
④ 唾液にアミラーゼ(炭水化物分解酵素)が含まれるのに穀物を摂ってはいけないはなぜ?

などなど、個人的な視点からですが、ツッコミどころは多い気がします。
加工食品を避ける点は評価できますが。

科学論文でも、まだ短期のデータしかなく、長期的に病気を予防するかどうかは疑問です。

○○ダイエットというのは個人差(多様性)が考慮されておらず、いずれも人体は何年経っても変化しない工業製品のような理解をしているので、飛びつかないほうが無難でしょう。

どんなダイエットも、一定数は大成功する人が出ますので、それを過大評価しないよう気をつけなくてはいけません。

重藤誠 by
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。

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