Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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食べ順ダイエットは有効か?

最近、食べ順ダイエットというのが流行っており、外来でもよく聞かれます。

現時点で私は、あまり気にせずに食べてよいと指導しています。

中年の肥満(BMI 25-40)2型糖尿病患者16人(アメリカ人)を対象に行った研究では、炭水化物を最後に摂ることで、食後の高血糖を緩和し、食後GLP-1の分泌が増えるとしています。

http://drc.bmj.com/content/bmjdrc/5/1/e000440.full.pdf

GLP-1分泌には糖が必要なのですが、糖質を遅く摂ることで吸収がゆっくりになり、比較的長期間、GLP-1が出るようです。

あくまで少人数で行った研究で、アメリカ人の肥満2型糖尿病という特殊な集団なので、健常人や1型糖尿病には当てはまりません。

いずれにしても、十分なデータが出ておらず、個人差も大きいので、まだ結論を出すのは早いです。

体重に関しては、長期の試験はなく、まったく何も言えない状況です。

私としては、こういった研究の根底に、炭水化物が悪という前提があり、それにより、炭水化物を摂ることに対して罪悪感を植え付けられてしまう可能性があり、かえってバランスを崩す原因になるのではないかという懸念から、気にしないほうがよいという指導にしています。

また、「炭水化物を最後に食べているから安心」してしまい、むしろ、精神的な抑制を外す原因になりかねません。

なるべく余計なことは考えずに、食べることができることに感謝し、よくかんで食べることで、脳の満足度が高まると考えています。

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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