Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。

高脂肪食と腸内細菌

高脂肪食を摂ると、脂肪を分解するためのアルカリ性の胆汁が大量に出ます。
善玉菌よ呼ばれる乳酸菌はその名の通り、酸性を好み、悪玉菌と呼ばれる菌はアルカリ環境を好むため、胆汁はファーミキューテスを増やしやすくします。
実際、脂肪の多い食事により、腸内細菌が毒素(エンドトキシン)を作り、それが吸収されて、全身の炎症が起こるようです。
実は、善玉菌、悪玉菌という区分は、必ずしも正確ではないのですが、高脂肪食で全身炎症が起こることは事実です。
マウス、人間とも高脂肪食摂取後はエンドトキシン濃度が上がります。

最近は、良い油、悪い油という話を聞きますが、まず絶対量を減らすことが重要です
よく、この油は良いものだからと、たくさん摂る人がいますが、油の質に関係なく腸内細菌は変化します。
脂肪組織に炎症が起こると、善玉ホルモンのアディポネクチンも減ってしまい、悪循環になります。
話は少しそれますが、アルカリ性の洗剤を使うことで、腸内環境が悪化するとのデータもあります。おそらく、腸内がアルカリ化されるからでしょう。
いずれにしても、慢性炎症と老化は強く関係しているので、高脂肪食が老化を促進するのは、ほぼ間違いありません。
低炭水化物ダイエットは、往々にして高脂肪食ですし、続けると癌や全死亡を増やす可能性が指摘されています。
せっかく日本に生まれたのですから、長寿食、健康食として世界が注目する日本の伝統食を大事にしたいものです。
重藤誠 by
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。
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