Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。

「漢方で痩せる」の矛盾

劉大器先生の「漢方 日本人の誤解を解く」。

20年以上前の本ですが、漢方の本質がわかりやすく書かれている名著です。

その中で、昔、流行った痩せる石鹸という怪しい商品に関する記述があったので、紹介します。

 

漢方の歴史は「痩せ」との闘いだった

漢方の過去を振り返っても「肥満」を治療する処方は極稀で、むしろ「痩せ」を治療の対象にしている。というのも、中国数千年の歴史を一冊の本にたとえるなら、戦乱、疫病、飢餓などで描かれるモノクロのページが大半で、漢方はつねに、飢餓、虚弱、病死と闘い、羸痩(痩せ)の人々を助けることに専念してきたのである。

つまり、漢方が理論面、臨床面で飛躍的な発展を遂げ、人々に貢献してきたのは、いずれも戦乱期や疫病が流行した最中、もしくは直後である。このような混迷期に肥満に対する処方が生まれるとはとても考えられない。

引用ここまで。

そもそも、漢方は太らせるのは得意でも、痩せさせるのには向いていないということです。

また、劉先生は、体の状態(寒熱)を診ずに、診断名で漢方薬を処方する日本の漢方は、「漢方もどき」であるとも言っています。

20年以上経過した現在でも、その異常な状態は変わっておらず、むしろ悪化しているように思われます。

相変わらず、防風通聖散を使っている人が多く、効いていないばかりか、悪影響が出ていると思われるケースがあとをたちません。

痩せる漢方薬は、まず疑ったほうがよいでしょう。

 

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防風通聖散では痩せない(動画)

 

重藤誠 by
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。
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