Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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テレビを消して外に出よう

 

健康を害する習慣に、喫煙や運動不足、睡眠不足などがあります。

 

近年の研究では、テレビの見過ぎも、相当よくないことがわかってきています。

 

具体的にどういったことが起こるかというと、

 

1.寿命が短くなる

 

オーストラリアの25歳以上の成人1万1000人以上の検診データを解析した研究があります。

それによれば、

 

テレビ視聴時間が1時間増えるごとに、成人の平均余命は22分減少!

 

テレビをまったく見ない人に比べ、テレビを1日あたり平均6時間見続けた人は、寿命が5年も短くなる!

 

ということでした。

 

 

テレビを6時間というのはさすがに見すぎですが、調査対象の1%がこれに該当しています。

 

 

逆にテレビを見ない人は、

 

男性で1.8年、女性で1.5年平均余命が長くなる

 

ということでした。

たばこ1本ごとに11分短縮するといわれています。

これは30分のテレビ視聴に相当します。

 

テレビを30分見ることで、消費される人生の時間は41分ということです。

それだけの価値がある番組はあるのでしょうか?

 

 

2.糖尿病になりやすくなる

 

2011年のメタ解析によれば、

 

テレビの視聴時間が1日2時間増えると

糖尿病のリスクが20%上昇!

心臓病リスクが15%上昇!

早期死亡率が15%上昇!

 

 

するということです。

 

しかも、視聴時間が3時間を越えると、リスクは急上昇します。

 

 

これは10年前の研究なので、YouTubeやNetflixはまだ一般的ではありませんでした。

現在は、大学生の3割が1日3時間以上、YouTubeを視聴しているといわれています。

インターネットゲームの類も含めると、6時間以上、モニターの前で座っている人は珍しくないでしょう。

 

こういったものの視聴も、テレビと同等の影響があります。

 

なぜなら、これらの影響は、主として長時間座り続けることの害が大きいと考えられるからです。

 

 

先進国の多くの人々が、余暇の大半をテレビかパソコンのモニター、スマートフォンの画面を見て過ごすようになっています。

 

インターネットの普及により、テレビの視聴時間が短くなりました。

しかし、結局、画面の前に座る時間は伸びているのではないでしょうか?

 

さらに、新型コロナウイルスの蔓延がそれに拍車をかけています。

 

リモートワークになると、自宅から一歩も外に出ないということも起こり得ます。

 

話を聞いていると、

 

パソコンの前で長時間仕事

 

→休憩時間はYouTubeなどを見て過ごす

 

→また仕事に戻る

 

こういうパターンで過ごしている人は多いです。

 

短期間であれば、それほど問題は無いでしょう。

 

しかし、これが何か月、何年という単位で続くと、高い確率で健康を失います。

 

ニュースを偏りなく知るのには便利かもしれません。

なかには、有用なドキュメンタリー番組などもあります。

 

無料で面白い番組が見られるので、テレビを持たないのはもったいない気もします。

 

しかし、それでも、テレビは必要ないと感じています。

 

無料で垂れ流される情報で、自分にとって有用なものはあまりありません。

ニュースは、インターネットの方が早いということもあります。

読書により、能動的に必要な情報を集めた方が、効率が良いです。

 

 

明らかに有害な点も多いです。

それは、テレビ業界の構造を考えれば明らかです。

 

テレビ番組が無料で提供されるのは、広告費のおかげです。

広告は、ものを売るのが目的です。

 

つまり、テレビのメッセージは結局、「ものを買ってください」ということになります。

かっこいい芸能人が、車でさっそうと走っているのを見ると、自分もほしくなる。

きれいな服を見ると、自分も着たくなる。

 

食品に関しても同じです。

ハンバーガーをおいしそうに食べる映像を見てしまうと、自分も食べたくなってしまう。

番組で、この食品が健康に良いと紹介されると、スーパーの棚から無くなる。

こういったことを考えても、その影響は明らかです。

 

広告主の多くは、加工食品会社です。

 

テレビを見ることで、ハンバーガーやアイスクリーム、清涼飲料水がほしくなります。

 

実際、テレビの視聴時間が長いと、加工食品の摂取量も多くなることがわかっています。

長時間座り続ける害に加え、加工食品の害が掛け合わされるわけです。

 

死亡率、体脂肪率を効率的に上げることができますね。

 

まだテレビを見る時間があり、今よりも健康になりたいのであれば、やることはひとつです。

 

テレビを見る時間だけ、外に出て散歩する

 

これだけで、かなり人生が変わります。

 

 

例によって、最後に私の経験です。

 

私は、10代まではテレビっ子で、テレビばかり見ていた気がします。

これが原因だったのかわかりませんが、確かに虚弱で、病気ばかりしていました。

 

本を読む習慣はあったので、人並みに健康になろうと、いろいろ努力し、大学に入ってからは、結構元気になりました。

 

そういえば、全寮制だったので、基本、テレビは見なくなりました。

体重が15㎏減り、学業成績が急速に伸びたのもこのころです。

 

一人暮らしを始めてからは、なんとなく不安でテレビを買いました。

しかし、大学時代の後半は、勉強の邪魔になるのがわかったので、テレビの電源は抜いていました。

 

研修医1年目のときには、自宅にいる時間がほぼ無くなったため、テレビを捨てました。

 

以降、今に至るまで、テレビを所有したことはありません。

 

イギリス、カナダ、スウェーデンでは、家具としてついていたので、つけていた時期はあります。

番組の内容や構成から、その国の文化を知るのには良いツールでした。

英語力のアップにも貢献したと思います。

 

 

とはいえ、テレビがあると、ほんとうに読書できません。

子どもにも見せたい番組がないので、今後も、テレビを所有する予定はありません。

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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