Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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ダイエットに失敗する理由(肥満と遺伝子)

肥満は遺伝か?と訊かれることがありますが、私は恐らく違うだろうと答えています。

ほんの半世紀前まで肥満は珍しかったのが、生活環境の変化とともに大幅に増えた点から、ほとんどが環境要因と考えるのが妥当でしょう。

肥満と関連する遺伝子としてFTO遺伝子などが知られていますが、やはり影響度としては環境が大きいというのが現状です。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1502214#t=article

http://www.bmj.com/content/354/bmj.i4707

 

一方、遺伝子は環境によって変化することが明らかになっており、数か月~年単位でスイッチがONになったりOFFになったりするようです。

実際に、肥満のスイッチが入ったと思えるような経過をとるケースも稀ではなく、その多くは「大きなストレス」であったり、「生活環境の変化」であったりするようです。

つまり、いったん入ってしまったスイッチをOFFにするためには少なくとも数か月はかかるわけです。

短期間で痩せたとしても、遺伝子レベルで身体が対応できないため、当然の結果としてリバウンドします。

ゆっくり生活習慣を見直してゆくのが、安全で確実なダイエットといえるでしょう。

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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