Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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防風通聖散や大柴胡湯は痩せ薬ではありません

診療していると、相変わらずよく見かける防風通聖散などの漢方についてです。

一般の病院で出されている漢方薬の多くは、厚生労働省の役人が決めた「適応症」に沿って処方されています。

本来の漢方では防風通聖散は痩せ薬ではないのですが、添付文書の適応症に肥満が入っているため、かなり気軽に処方されてしまっています。

多くの方は、「効果は感じられない」と言いつつ続けていましたが、それもそのはず、中医学的な体質、体調を示す「証」を診ていないで処方されているので効くはずがありません。

漢方薬には副作用がないと誤解している人も多いようですが、合成化学薬品に負けず劣らずかなり激しい副作用が報告されています。

防風通聖散の主な有効成分である麻黄は依存性のあるエフェドリンが含まれていていますし、柴胡には間質性肺炎での死亡例が少なからず報告されています。

 

漢方は正しく使えれば効果があると思いますが、使う側の技量が要求されます。

また、同じ人間の「証」が、治療者によって変わってしまうこともよくあるそうです。西洋医学でも診る医師によって「診断」が変わることはよくある話ですが・・・。

 

私は独学で結構勉強したつもりですが、まだまだ実用レベルではないため、漢方薬は葛根湯くらいしか処方していません。

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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