もうすぐ開院から1年になり、いろいろな意味で安定してきました。
同窓会からクリニックの紹介文の依頼があったので、以下のようなものを書いてみました。
なぜ私が敢えてリスクを取り、このような挑戦をした理由がわかると思います。
遅かれ早かれアップロードされますので、載せておきます。
私は平成13年に卒業後、京都府立医科大学で臨床研修、その後、川崎医科大学に戻ってインスリン分泌機構を研究し、千葉県の亀田総合病院で臨床医として働いた後、奨学金を戴き、当初2年の予定でイギリスのOxford大学に留学、そのまま£で給料をもらうという、かなり変化に富んだ医師人生を送ってきました。
結局、海外生活は6年半に及び、平成27年に帰国後は、大学で仕事をする自分がイメージできませんでした。恩師である加来先生も退官されていたこともあり、御縁があった京都の日本バプテスト病院で臨床を再開しました。そこで、糖質制限や様々なダイエットによる健康被害を受けた人たちに出会いました。それに加え、派手な広告で集客する某パーソナルジムや、リスクの高い脂肪吸引などが広がっており、将来の日本人の健康に危機感を覚え、何かできないかと考えました。
過去数十年において、日本でも肥満に悩む人が増えています。私はOxford時代を含め10年もGLP-1と関わってきました。GLP-1には強力な減量効果があり、適切に使用すれば副作用もほとんど見られません。そこで、GLP-1を使ったダイエットクリニックの立ち上げをしようと思い立ちました。既に誰かが医療ダイエットとしてはじめているものと思っていましたが、使うにあたって専門知識が必要ということもあってか、誰もやっていなかったので、だったら私が、日本初のGLP-1メディカルダイエットをしてやろうではないかと考え、シゲトウクリニックを開院しました。
アメリカとは異なり、いまのところ日本ではGLP-1製剤は肥満症に対しての適応がありません。したがって、保険診療ではなく自費診療となります。考えようによっては、膨張する医療費を使うことなく強力な予防医学を実践できる、次世代の医療ともいえます。なにより、受診される方々の「痩せたい」という欲求は予想以上に強く、体重を減らすと本当に喜んでいただけるので、大きな手応えとやりがいを感じております。学生時代、勤務医時代は自費診療など眼中になく軽蔑すらしていたのに、人生わからないものです。
なお、クリニックの運営と並行して日本バプテスト病院での糖尿病専門外来も継続し、糖尿病専門医としての研鑽を続けると同時に、Oxfordで得た知識と経験を活かし、国立滋賀医科大学で研究の指導にあたっています。
本来であれば、医師として、研究者として成長する機会を与えていただき、奨学金まで出していただいた大学で働くのが道理だということは理解しています。ただ、私としては、国民の健康度を高め、医療を少しでも良きものにしてゆくために、新しい挑戦を続けることで、母校に恩返しが出来たらと考えております。
最後に、同窓会の益々のご発展と同窓生の先生方のご活躍をお祈り申し上げます。