治療中、特に中高年の方で突然大幅に体重が減り、体調不良が改善する人を多くみかけます。
食事量が減ることによる体脂肪減少だけでは説明できないスピードなのですが、よくよく話を聞いてみると、多くの場合、その期間に大量に便が出て体が軽くなったということでした。
たまっていた水分や肝臓で処理しきれずにたまっていた毒素や老廃物が出ているものと思われます。
東洋医学では病気は体内の毒素が原因と考えられており、毒素(カビ、排気ガス、化学物質など)を体に入れないことは非常に重要になってきます。
また、便秘があると、腸内細菌がエンドトキシンをつくるため、万病のもとになるというのも西洋医学的にわかってきています。
体にゴミを溜めないために重要なこととして
1.食事量を減らす:オートファジーが活性化し、細胞レベルで老廃物の処理が行われます。
2.適度な運動:血流がよくなれば、毒素の処理がしやすくなります。
3.加工食品を避ける:ビタミン、ミネラルの豊富な食品を摂ることで、肝臓での毒素処理がすすみます。
4.空気と水を可能な限りきれいにする:都会に住んでいると、浄水器、空気清浄機を使うとかなり違います。最近では、田舎でも農薬などが舞っており、あまりきれいではないらしいですが。
今年の冬に、息子の膝の裏にアトピー様の皮疹が出たので、いろいろ対策したのですが、結局、エアコンと空気清浄機のカビを掃除したところ、あっさり完治しました。
なにしろ、50kgの人間が吸う空気の量は、重量ベースで20kgほどと、食事で体に入るものの5-10倍もあり、空気が体調不良の原因だった場合、食事内容をいくら改善しても焼け石に水です。
喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患をお持ちの方は、まず空気を疑い、次に水の塩素対策をしたうえで、食事内容を見直すことで改善が期待できるはずです。
基本的なトラブルシューティングもせずに、症状だけきいて、すぐにステロイドを出す医者は藪だと思います。まあ、3分診療をせざるを得ないシステムの問題が大きいのですが・・・。
追記:黄砂で心筋梗塞が増えるという記事があったので、貼っておきます。現象としてかなりはっきりしているので、黄砂、PM2.5 対策はしておいたほうがよいでしょう。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090400988&g=soc
熊本大学の小島淳特任准教授(循環器内科)と国立環境研究所などの研究チームは4日、黄砂が飛来した翌日に急性心筋梗塞を起こすリスクが1.46倍になるとの調査結果を発表した。研究チームは「黄砂に付着した大気汚染物質を吸い込むことが発症のきっかけになるのではないか」と分析している。
調査は、2010年4月~15年3月に熊本県内で急性心筋梗塞を発症した患者のうち、県外在住者らを除いた3713人を対象に実施。熊本気象台による黄砂の観測日の翌日と、それ以外の日のリスク差を計算した。その結果、黄砂翌日の発症者の人数は、それ以外の日の1.46倍になることが分かった。慢性腎臓病の患者に限れば、2.07倍になったという。
小島特任准教授は予防法について、「マスクや空気清浄機でいくらかは防げるかもしれない」と指摘。今後は、微小粒子状物質PM2.5との関係も調査する考えを示した。
国立環境研究所環境リスク・健康研究センターの新田裕史フェローは「公的機関が指針を作るには、さらに知見の蓄積が必要だ」としている。 (2017/09/04-19:45)