2022年2月2日
最近、総説が出たので読もうと思っていたのですが、なかなか手がまわりませんでした。
http://joe.endocrinology-journals.org/content/early/2017/08/30/JOE-17-0278.full.pdf+html
結論から言うと、動物実験ではかなり良いデータが出ていますが、人間では今のところ関係ないということでした。
卵巣摘出ラット(低エストロゲン)において、GLP-1薬は骨形成を増やし、骨吸収を減らすことがわかっていますが、骨芽細胞、破骨細胞のいずれにも直接影響はしていないようです。
そもそも、レセプターがあるかどうかがはっきりせず、あるという報告とないという報告がありますので、現段階ではよくわからないとしか言いようがありません。
カルシトニンを介した骨吸収抑制も考えられていますが、人間ではやはりはっきりしたことは言えません。
なお、
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fendo.2013.00073/full
の論文では骨を強くすると言ってしまっています。
体重が減ると骨への負荷が減るため、骨密度は減るはずなのですが、それが報告されていないことから、直接的、間接的に骨を強くする作用があるかもしれません。
いずれにしても、体重減少が骨密度に与える影響は大きいので、評価は難しいでしょう。
現時点では、良さそうだがよくわからないというところです。