Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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GLP-1と骨

 

最近、総説が出たので読もうと思っていたのですが、なかなか手がまわりませんでした。

http://joe.endocrinology-journals.org/content/early/2017/08/30/JOE-17-0278.full.pdf+html

 

結論から言うと、動物実験ではかなり良いデータが出ていますが、人間では今のところ関係ないということでした。

卵巣摘出ラット(低エストロゲン)において、GLP-1薬は骨形成を増やし、骨吸収を減らすことがわかっていますが、骨芽細胞、破骨細胞のいずれにも直接影響はしていないようです。

そもそも、レセプターがあるかどうかがはっきりせず、あるという報告とないという報告がありますので、現段階ではよくわからないとしか言いようがありません。

カルシトニンを介した骨吸収抑制も考えられていますが、人間ではやはりはっきりしたことは言えません。

 

なお、

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fendo.2013.00073/full

の論文では骨を強くすると言ってしまっています。

体重が減ると骨への負荷が減るため、骨密度は減るはずなのですが、それが報告されていないことから、直接的、間接的に骨を強くする作用があるかもしれません。

いずれにしても、体重減少が骨密度に与える影響は大きいので、評価は難しいでしょう。

現時点では、良さそうだがよくわからないというところです。

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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