Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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国の統計からみた糖質制限

厚生労働省と農林水産省の統計から低炭水化物ダイエットを考察。

50年以上の期間があり、公式の統計ですので、かなり信頼できます。

 

まず、穀物の消費量です。

http://www.flour.co.jp/news-backnumber/v326_350/na345.html

本来なら、各省庁のページの最新データを使うべきですが、つくると時間がかかかりすぎるで、グラフは借り物です。

小麦は増えてはいますが、思ったほどではなく、やはり、穀物摂取量は大幅に減っているわけです。

 

 

https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0005b.htm

一方で、肉類、乳製品の摂取が激増しています。

 

 

 

 

肥満も、特に男性で著しく増加し、人口の3割がBMI25以上となっています。

 

 

 

http://www.unity.or.jp/foodold.html

 

糖尿病人口は増加を続けており、糖尿病が疑われる人、可能性が否定できない人を合わせると、2000万人にもなっています。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027369.php

この半世紀ほどで、糖尿病人口は50倍になったわけですので、糖尿病の原因が炭水化物の摂りすぎというのは無理がありすぎます。

 

 

 

 

同じ期間に、悪性新生物、心疾患、脳血管障害が増加しています。

 

ストレスや環境汚染などの因子はあるでしょうが、昔から言われているように、ライフスタイルの欧米化したことに伴い、生活習慣病が激増したのは事実ですので、高タンパク、高脂肪になる「低炭水化物ダイエットで健康になる」という主張は無理筋ではないでしょうか。

 

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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