Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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GLP-1とグルカゴン

グルカゴンの主な作用は、肝臓から糖を放出させて、血糖を上げることです。

グルカゴンは、膵臓のα細胞という細胞の中でも特に小さくて弱い細胞で造られています。

GLP-1はグルカゴンの分泌を抑制し、インスリンの分泌は促進しますので、血糖を下げる方向に作用しますが、不思議なことに、一定以下の血糖では作用がなくなるので、低血糖は起こしません。

 

10年以上前から、α細胞が、インスリンを分泌するβ細胞に変化するという、面白すぎる現象が話題になっていましたが、その変化が、マラリアの薬で誘導できるという記事がありました。ちょっと信じがたい説で、いまだに信じていない人もいますが、何気に進んでます・・・。

https://www.ucdavis.edu/news/study-refutes-using-anti-malaria-drug-treat-diabetes/

ちなみに、写真を見るだけで、この膵島がマウス由来であることがわかります。

人間の膵島は、α細胞が内部まで分布しているのですが、マウスでは表面だけに分布しています。

 

話はかわりますが、最近、診療の合間にOxford大学のラボと、5年くらい前に出したGLP-1/グルカゴン/α細胞のデータのやり取りをしていたのですが、近日、投稿予定です。

筆頭著者でないので、負担が格段に少なく、気は楽ですね。

3年前の6月は、OxfordとGothenburgを毎週のように飛行機で行ったり来たりしながら、投稿の準備をし、家では小さい子供と体調が悪くて寝込みがちだった妻の看病という、ひどい状況だったのをふと思い出しました。私まで倒れそうでしたが、不思議となんとかなりました。

ありがたいことに、論文は掲載され、現在は、妻もとても元気になり、当時と比較すると、夢のような幸せな生活が送れています。

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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