Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
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【痩せる薬】ロルカセリン(BELVIQ)アップデート

先月末ですが、GLP-1の研究会に出た際、Lora K. Heisler先生の話を聴いてきました。

ロルカセリンを中心に研究している人で、BELVIQを絶賛していましたね。

ロルカセリンは、選択的脳内セロトニン2C受容体作動薬であり、悪名高いフェンフェン療法に含まれるフェンフルラミン(リダックス)の系統です。

リダックスは、致命的な心臓弁膜症を誘発することから、1997年に販売禁止になりましたが、ロルカセリンは過体重や肥満患者の体重管理に使用する薬としてFDAに承認されています。

エーザイの資金の入った研究ですが、CAMELLIA-TIMI 61(Cardiovascular and Metabolic Effects of Lorcaserin in Overweight and Obese Patients-Thrombolysis in Myocardial Infarction 61)では、心配された心血管リスクの上昇は無いという結果でした。

メトホルミンやGLP-1の作用を増強することがわかっており、2型糖尿病の治療薬としての可能性も研究されているほか、禁煙補助薬としても研究されているようです。

ただ、抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors, SSRI)が原因で太っている可能性が高い人をよく見かけることもあり、自分や家族に使えるかと問われると、微妙なところです。

データもまだ十分とはいえませんし、使った後の離脱症状も心配です。

なにより、直感的に危ない気がするんですよね。

どんなときも、私は直感を非常に大事にしています。

【痩せる薬】【非推奨】ロルカセリン(BELVIQ)

いずれにしても、研究論文を書かなくてもよい立場で聴く基礎研究の話は、純粋に楽しかったです。

連休の前後は予約が一杯になってしまい、忙殺されそうですが、そんなときこそ勉強の時間も大切にしていきたいです。

月末には学会もありますし、専門分野外の本も積極的に読むなどして、インプットを増やしていこうと思います。

 

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https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/nejm/201809/557801.html

https://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?dr_ja:D07945

この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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