閉経前後の10年間は更年期といわれています。
感情的に不安定になり、怒りやすい、イライラする不安感、落ち込みやすい、やる気が出ないなどの症状が出ます。
身体的にもホットフラッシュとよばれる顔のほてり、発汗、関節痛、動悸・息切れ、冷え、頭痛、睡眠障害、めまい、耳鳴り、皮膚の乾燥やかゆみなどがおこります。
なかでも、ホットフラッシュは閉経後の女性の80%が経験する、一般的なものです。
女性ホルモンが急速に減ることが原因と考えられています。
更年期障害の簡易チェックとして、SMIというものがありますので、該当する方はチェックしてみてください。
簡略更年期指数(simple menopause index)
http://hamayume.com/pdf/smi.pdf
治療としては、女性ホルモンを補うホルモン補充療法が代表的です。
比較的副作用が少ない治療ですが、乳がんのリスクが高まるなどの問題があります。
よほどひどい症状があり、生活に支障を来たさないのであれば、そこまでしなくてもよいでしょう。
ときどき、抗うつ薬などを処方されている人を見かけますが、これは賛成できません。
更年期障害は、ほとんどの女性が経験します。
そんな一般的な症状に対して、依存性があり、人生が破綻するリスクがある薬を使うのは、割に合いません。
できるなら、自分でなんとかしたいものです。
女性が避けては通れないこの「更年期障害」を減らすことができる食品があります。
みなさんご存じの、大豆です。
大豆には植物性タンパク質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどの栄養素が含まれています。
この中のイソフラボンが腸内細菌によって分解され、エクオールという物質になります。
これが、女性ホルモンのような働きをすることで、ほてりの発生と重症化を軽減すると考えられています。
ジョージワシントン大学の研究で、大豆を豊富に摂る食事により、中程度から重度のほてりを84%減少できることが報告されました。
1日5回起きていたのが、1回以下にできるということです。
また、38人の小さな研究ですが、大豆を含む植物性食品中心の食事を12週間続けると、軽度なものまで含めるとホットフラッシュは79%減少したことが報告されています。
なお、大豆のイソフラボンを抽出したサプリメントなどでは、効果をあまり期待できないということです。
エクオールは、ホットフラッシュの抑制だけでなく、血糖値を下げたり、動脈硬化のリスクを高めるLDLコレステロールを下げる効果なども報告されています。
また、体内でエクオールを作ることができる女性は、肥満しにくいこともわかっています。
エクオールを体内で作り出せる体質には個人差があり、おそらく、腸内細菌の差と考えられます。
多くの研究が、植物性たんぱく質は体に良いことを報告しています。
植物性たんぱく質といえば大豆です。
性別に関係なく、しっかり摂っておきたいところです。
私は最近、納豆を味噌で味付けして毎日食べています。
付属のたれは、添加物を避けたいので使いません。
(発酵大豆)2
で邪道に見えますが、普通においしいです。
材料が同じなので、合わないはずはありません。
発酵食品なので、大豆のデメリットを受けることなく、メラノイジンとエクオールのメリットを得られます。
納豆を選ぶ注意点は、
です。
小粒であれば、遺伝子組み換えではありません。
遺伝子をいじる理由は、効率的に収穫量を増やすためです。
それを考えれば当然ですね。
遺伝子組み換え食品の安全性については議論があるところですが、議論があるものはなるべく安全な方を選ぶ主義です。
大豆は放射性物質を集める性質があります。
原発事故は10年前ですが、放射性物質はそのくらいでは消えません。
大豆の産地が明確な商品は限られますが、意識しておくと安心です。