Oxfordで、GLP-1を研究していた糖尿病専門医が、肥満治療を考えます。
https://shigeto-cl.com/

ホットフラッシュを84%も軽減し、体重も減らす食品

 

閉経前後の10年間は更年期といわれています。

 

感情的に不安定になり、怒りやすい、イライラする不安感、落ち込みやすい、やる気が出ないなどの症状が出ます。

 

身体的にもホットフラッシュとよばれる顔のほてり、発汗、関節痛、動悸・息切れ、冷え、頭痛、睡眠障害、めまい、耳鳴り、皮膚の乾燥やかゆみなどがおこります。

 

なかでも、ホットフラッシュは閉経後の女性の80%が経験する、一般的なものです。

 

女性ホルモンが急速に減ることが原因と考えられています。

 

更年期障害の簡易チェックとして、SMIというものがありますので、該当する方はチェックしてみてください。

 

簡略更年期指数(simple menopause index)

http://hamayume.com/pdf/smi.pdf

 

 

治療としては、女性ホルモンを補うホルモン補充療法が代表的です。

比較的副作用が少ない治療ですが、乳がんのリスクが高まるなどの問題があります。

よほどひどい症状があり、生活に支障を来たさないのであれば、そこまでしなくてもよいでしょう。

 

ときどき、抗うつ薬などを処方されている人を見かけますが、これは賛成できません。

更年期障害は、ほとんどの女性が経験します。

そんな一般的な症状に対して、依存性があり、人生が破綻するリスクがある薬を使うのは、割に合いません。

 

できるなら、自分でなんとかしたいものです。

 

女性が避けては通れないこの「更年期障害」を減らすことができる食品があります。

 

みなさんご存じの、大豆です。

 

 

大豆には植物性タンパク質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどの栄養素が含まれています。

この中のイソフラボンが腸内細菌によって分解され、エクオールという物質になります。

これが、女性ホルモンのような働きをすることで、ほてりの発生と重症化を軽減すると考えられています。

 

ジョージワシントン大学の研究で、大豆を豊富に摂る食事により、中程度から重度のほてりを84%減少できることが報告されました。

 

1日5回起きていたのが、1回以下にできるということです。

 

また、38人の小さな研究ですが、大豆を含む植物性食品中心の食事を12週間続けると、軽度なものまで含めるとホットフラッシュは79%減少したことが報告されています。

なお、大豆のイソフラボンを抽出したサプリメントなどでは、効果をあまり期待できないということです。

 

 

エクオールは、ホットフラッシュの抑制だけでなく、血糖値を下げたり、動脈硬化のリスクを高めるLDLコレステロールを下げる効果なども報告されています。

 

また、体内でエクオールを作ることができる女性は、肥満しにくいこともわかっています。

 

エクオールを体内で作り出せる体質には個人差があり、おそらく、腸内細菌の差と考えられます。

https://journals.lww.com/menopausejournal/Abstract/9000/The_Women_s_Study_for_the_Alleviation_of_Vasomotor.96938.aspx

 

 

多くの研究が、植物性たんぱく質は体に良いことを報告しています。

 

植物性たんぱく質といえば大豆です。

性別に関係なく、しっかり摂っておきたいところです。

 

私は最近、納豆を味噌で味付けして毎日食べています。

付属のたれは、添加物を避けたいので使いません。

(発酵大豆)

で邪道に見えますが、普通においしいです。

材料が同じなので、合わないはずはありません。

 

発酵食品なので、大豆のデメリットを受けることなく、メラノイジンとエクオールのメリットを得られます。

 

納豆を選ぶ注意点は、

  • 小粒であること
  • 西日本産であること

です。

小粒であれば、遺伝子組み換えではありません。

遺伝子をいじる理由は、効率的に収穫量を増やすためです。

それを考えれば当然ですね。

遺伝子組み換え食品の安全性については議論があるところですが、議論があるものはなるべく安全な方を選ぶ主義です。

 

大豆は放射性物質を集める性質があります。

原発事故は10年前ですが、放射性物質はそのくらいでは消えません。

大豆の産地が明確な商品は限られますが、意識しておくと安心です。

 

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この記事を書いた人
しげとう・まこと●医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。2021年から洛和会音羽病院糖尿病内科部長代理、医療法人シゲトウクリニック理事長を兼務。
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